鍼灸大航海時代 第17回 〜福利厚生にみる鍼に対する評価〜 伊藤 学

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楽天株式会社の噂の新社屋「楽天クリムゾンハウス」では従業員の生活面に一歩踏み込んだ手厚い福利厚生には鍼灸を受けられる施設も含まれているそうです。

三木谷社長自らも鍼灸の愛好家である事は業界では有名な話ですね。

余談ですが、楽天クリムゾンハウスに企業内鍼灸院として開院した鍼灸院は、以前私が勤めていた会社の自社ビル内に本院を開院されていました。

そちらは数年で別の場所に移転されていたようですが。

企業のリーダーが率先して自分が良いと体感したものを社員に提供される環境というのは素敵ですね。

前回の記事で書きましたが、鍼灸の年間受療率は年々減少傾向にあり2014年には4.9%となりました。

鍼灸業界を取り巻く厳しい状況の救世主となりうるのは、三木谷社長の様な、鍼灸に理解があり強いリーダーシップと影響力を持った企業リーダーなのかもしれません。

一方、多くのハイテク企業がひしめくアメリカ・シリコンバレーでは手厚い福利厚生を売りにした優秀な人材獲得競争が数年前から激化しており、その充実ぶりが日本のメディアでも度々取り上げられています。

医療保険や金銭面でのボーナスなどが当たり前となってしまった今、企業側は福利厚生面でもクリエイティブにならざるを得ないようです。

社員からのリクエストにより福利厚生の充実化を進める企業も多いようで、自社ビル内に鍼灸院を持つ企業もあるようです。

有名どころで言えばFacebookがその一つ。楽天がトップダウンなのに対し、こちらはボトムアップ。

どちらにしても我々施術家は、リーダーが社員に提供したくなるような、また社員が企業にリクエストしたくなるような、最良の施術を提供することが第一の仕事です。

シリコンバレーから一歩出ると福利厚生としての「Acupuncture」はまだまだ珍しいようで、優秀な人材獲得を狙う企業の武器になりうるようです。

Austin Business Journalに鍼灸師が思わずほくそ笑んでしまう記事がありましたのでご紹介します。

2015年の同紙が選ぶ最高の職場コンテストで入賞したBaxter Planning Systemsという中小企業の紹介記事で、タイトルは「福利厚生に含まれる鍼治療がBaxter Planning Systemsを最高の職場にランクインさせた」*です。

アメリカらしいストレートなタイトルですが、鍼治療に対する高い評価が伺えます。

日本でも「あそこの会社は福利厚生で鍼灸が受けられるらしい」と就職活動をする学生の間で話題になるくらい、また企業側がそれを武器としてアピールしたくなるくらいに評価を上げていかなければなりません。

http://www.bizjournals.com/austin/blog/at-the-watercooler/2015/08/acupuncture-among-the-perks-that-made-baxter.html

 

伊藤 学(いとう まなぶ)

1977年生まれ。1994年にカナダに渡り、高校・大学を卒業後、2001年に帰国。外資系IT企業を経て、湘南医療福祉専門学校に入学。在学中より川崎中央はりきゅう院にて修行を積む。2010年にSteiner Training Ltd.と契約し客船の鍼師として勤務。7カ月の契約を終え帰国。現在は主にメディカルスパみなとみらい勤務。自身のブログでも海外の鍼灸情報を発信している。

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