目からウロコの物理学的経絡治療 第14回 「日常で使用している物全てを治療に結びつける」 岡西裕幸

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第9回目の連載で「書籍の記述を立体的にイメージしながら患者様を診る」と題して地球儀を例に挙げ説明させて頂きました。

また、本文中にて経絡・経穴図に関してのお話も書きました。

書籍ではなかなか正確な経穴位置を把握し辛く、また書籍によっては経絡別の記述がなく、頭部なら頭部の経穴だけ記載しているものや、体幹部なら体幹部だけの経穴という具合に、平面として認識し立体的に把握しにくい本もあることなどを書きました。

今回はより立体的に考えていけるよう箱を用いて説明させて頂きます。

① 展開図

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② 組み立て途中

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③ 完成

写真は私が使用している鍼製造メーカー、セイリン株式会社の梱包箱。

箱に燈色にマジックで塗ってある部分が「絡穴」として考えて下さい。

人間の体を立方体「セイリン鍼梱包箱」として考えると、教科書や文献に記載してある文章は「立体としての考え方」なのですが、図は平面で記載されています。

一番上の写真①は箱を崩したもので立方体の「展開図」。

この展開図には境界部分であるいわゆる「端」が存在します。

経絡は連絡性があります。

教科書や文献で「展開図」のような「図」が頭に焼き付いてしまうと、理解はしているはずなのに患者様の体を「立体として」よりも「展開図」として見てしまう傾向にあると多くの先生とお話しし感じております。

写真の燈色の部分に注目して下さい。

通常「絡穴」は連絡性がある距離にあります。手の太陰肺経の「列欠穴」などみても理解ができます。

立方体である箱の燈色部分はつながっています。しかし展開すると燈色の部分は大きく距離が遠くなるばかりか連絡性が途切れます。これでは治療効果を出そうにもなかなか結果がついてきません。

教科書や文献の図は展開図であり「平面」でもあります。

できるだけ頭の中に立体としての知識を入れ、多くの患者様で「体験する事」「経験する事」、そしてそれを再度「理論付け」し直す事で沢山の結果が出せると考えます。

また、見方を変えれば体調が悪い患者様は体の中の器官や神経系統、経絡システムなどが「展開図」の様にばらばらになっていると考えます。

それを「展開図」→「組み立て」→「立体完成」の様に鍼灸医学は計画的に患者様の体を組み立てて緩和改善に導ける「医学」であると考えます。

志や夢だけではやっていけない仕事です。時に現実的に考え学ぶ必要があると思います。

 

岡西 裕幸

大学堂 院長
鍼灸学士・鍼灸師
世界中医薬学会連合会登録2010
(社)全日本鍼灸学会会員
(社)日本東洋医学会会員
日本中医学会会員
平成2年鍼灸師取得
(現)関西医療大学3期卒業
上海中医薬大学附属日本校客員講師
APG代表

大阪や名古屋の治療院で経験を積んだ後、平成5年からJリーグチームドクターのクリニックで勤務し、選手の評価方法やリハビリテーションに関して学ぶ。
西洋医や理学療法士と協働して西洋医学的知識の大切さを知り、物理学的経絡治療を開発。
マタニティケア鍼灸師。
世界中医薬学会連合会(証書番号001817)。

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