鍼灸大航海時代 第13回 〜精密機器の進化と経穴の存在〜 伊藤 学

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一般に「鍼灸といえばツボ」という考えは広く認識されており、学生も含め“鍼灸師あるある”の代表的なものといえば「何々に効くツボ教えて!」と言われることではないでしょうか?

「温故知新」で栗原誠先生が連載されている「鍼灸師のための経穴デザイン入門」を毎号大変興味深く読ませて頂いております。

今回はそんな栗原先生へのオマージュです。

目に見えない経穴、気、経絡などを可視化しようとする試みは、古くから現在に至るまで何度となく繰り返されてきましたが、決定的な根拠は示されておりませんでした。

しかしここ数年、より精密な顕微鏡やCTスキャンなどの精密機器を使用した研究が進められ、興味深い結果が続々と発表されていることをご存じでしょうか。

前回でご紹介させて頂きましたHealthCMiにも近年このような記事が数回掲載されています。

そこから要約して紹介させて頂きます。

*Acupuncture Point Microstructure Discovery(経穴の微細構造発見)

・蛍光顕微鏡を使用した研究で少商穴に解剖学的な特殊構造(コネクシン)を発見した。

・CTスキャンを使用した研究で足三里、上巨虚とされる部位の血管構造が厚く高密度であることを発見した。

・酸素分圧を測定した研究で内関、大陵をはじめ手関節内側を通る肺・心包・心経の経穴部位では酸素分圧が高いことを発見した。

・内庭、足三里、伏兎とされる部位にカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)+神経線維によって作られる血管様の構造を発見した。CGRPは軸索反射や骨の増殖、睡眠など様々な人体機能に関連する神経伝達物質の一種で、この繊維の密度が経穴の及ぼす人体への影響に深く関係しているのではないかと考えられていたのだが、この研究により先に挙げた経穴部位で密度の濃いことが証明された。

今回紹介させて頂いた研究の他にもMRIや超音波などを使って経穴の存在する部位の特殊な解剖学的構造が続々と明らかにされているようです。

経穴の特殊構造が判明すれば、それを簡易的に探し出す機械が発明される。

またその経穴がどのような刺激に反応するのかがわかれば、その刺激を的確に与える機械が発明される。

そうなると鍼灸師の存在意義はなくなってしまうのでしょうか?

※引用元
http://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/1468-acupuncture-point-microstructure-discovery

 

伊藤 学(いとう まなぶ)

1977年生まれ。1994年にカナダに渡り、高校・大学を卒業後、2001年に帰国。外資系IT企業を経て、湘南医療福祉専門学校に入学。在学中より川崎中央はりきゅう院にて修行を積む。2010年にSteiner Training Ltd.と契約し客船の鍼師として勤務。7カ月の契約を終え帰国。現在は主にメディカルスパみなとみらい勤務。自身のブログでも海外の鍼灸情報を発信している。

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