目からウロコの物理学的経絡治療 第8回 「体内を立体的にイメージする」 岡西裕幸

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前回までは、患者様のお身体を外から観察しお身体の歪みや任脈・督脈を基準にした体幹の左右差及び、四肢の形状の左右差が経絡に及ぼす影響について図示し説明をしました。

今回は観察自体は外から行う事にはなりますが、「体内を立体的にイメージし診断や施術の参考にする」についてお話をしていきたいと思います。

皆様は鍼灸学校において経絡図が記載された本を必ず手にした事があると思います。

ここで少し経絡学説について。

経絡学説は人体経絡の生理機能、病理変化及び経絡と臓腑の相互関係を研究する学説であり、中医学の理論体系の重要な公正部分であるとされる。

そして、臓象学説・気血津液理論・病因学説などの基礎理論は経絡学説と結びついてこそ、人体の生理機能・病理変化を完全に解釈することができ、その結果診断方法がわかり治療方法を決定することが出来るとされる。

そのため歴代の医学家は全て経絡学説を重視してきたとされる。

私が参考書にしている鍼灸学(上海中医学院編 全846ページ)でも経絡編が第一章140ページと情報量が多く今回の連載では書く事が出来ません。

詳しくは教科書を見ていただけると気づきが必ずありますのでぜひ一度見直して頂ければと思います。

まず体を立体的にイメージする為には経絡経路について知っていなければなりません。

一般的に教科書にて学ぶ経絡と言うと経穴(ツボ)が存在する図が頭に浮かんでくると思います。

”少しだけ詳しく”お話するとその部分は「有穴経路」と言って「経穴(ツボ)」が存在する部分を指します。

実はもう一つ「無穴経路」という部分があります。

例えば、手の太陰肺経であれば循行経路は「中焦に起こり、下って大腸に絡し、戻って胃口(幽門から噴門)に沿って上行し、横隔膜を通って肺に属し・・・」となりますが、この部分は経穴(ツボ)がない部分で「無穴経路」と呼ばれています。

 

⬇️手の太陰肺経 ー 無欠経絡 ー 有穴経絡

 

もう一つ例を挙げると、手の厥陰心包経であれば循行経路は「胸中に起こり、出て心包絡(心包)に属し、下に向かって横隔膜を貫き、順次に上、中、下三焦るに絡する・・・」となりますが、この部分は経穴(ツボ)がない部分で「無穴経路」と呼ばれています。

 

⬇️手の厥陰心包経 ー 無欠経絡 ー 有穴経絡

 

実はこの「無穴経路」部分を知っていなければ色々な事が「深く判断」出来ないのです。

そして今回の題(テーマ)は「体内を立体的にイメージする」を行う上でなくてはならない存在なのです。

お身体を外から観察し身体の歪みや任脈・督脈を基準にした体幹の左右差及び、四肢の形状の左右差を診ると同時に「体内の無穴経路の歪み」をイメージする事が出来れば四診や施術の「切り口」は無限にあると思います。

 

岡西 裕幸

大学堂 院長
鍼灸学士・鍼灸師
世界中医薬学会連合会登録2010
(社)全日本鍼灸学会会員
(社)日本東洋医学会会員
日本中医学会会員
平成2年鍼灸師取得
(現)関西医療大学3期卒業
上海中医薬大学附属日本校客員講師
APG代表

大阪や名古屋の治療院で経験を積んだ後、平成5年からJリーグチームドクターのクリニックで勤務し、選手の評価方法やリハビリテーションに関して学ぶ。
西洋医や理学療法士と協働して西洋医学的知識の大切さを知り、物理学的経絡治療を開発。
マタニティケア鍼灸師。
世界中医薬学会連合会(証書番号001817)。

 

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