目からウロコの物理学的経絡治療 第5回 左右の経絡の寸法をそろえる! 岡西裕幸

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今回は「体を真っ直ぐにするとどうなるのか!」をお伝えしたいと思います。

第4回の連載では「体を真っ直ぐにして四診しやすい条件を整える!」を「脈診」を例にして説明しました。

体に歪みがあると、正確な病態把握のための脈診はできず脈状の左右差が生じてしまう可能性があること。

また体に歪みがあると、片方の肺が圧迫され物理的に心臓が窮屈になり脈状の左右差が生じてしまう可能性があること。

そして十二経絡や経穴に刺激を加えることなく体を真っ直ぐにすること、または真っ直ぐにする状態を作り上げることができれば、四診しやすい状態になり「正確な情報を得やすい」条件が整い、来院された患者様の「病態の本質を見極めやすくなるのではないか」と考え生まれたのが「物理学的経絡治療」という説明をしました。

私は平成2年に鍼灸師の資格を取得し、ご縁があり平成5年から3年半西洋医のクリニックで勤務していたことで今の理論が誕生しました。

西洋医のクリニックでは理学療法士と協働し、多くのことを学び実践することができました。

第2回の連載でも書いたのですが、患者様はスポーツ選手が多く、まず行うことは「体の評価」でした。

ドクターが記載したカルテや画像所見をもとに実際の怪我や障害部位の状態把握及び下肢を中心に「アライメント」を経過ごとに記載し観察、そして患者様の復帰に向けたリハビリテーションの際に、テーピングや足底部へのアプローチで体を安定させると、怪我をしてから二次的に生じていた「怪我とは関係のない体幹部の痛み」が軽減したり、リハビリテーション中に消失することを多く経験しました。

これはスポーツ選手に限らず、一般の患者様も同様に下肢を安定させた状態でリハビリテーションを行うことで、体の軸が整い体が真っ直ぐになる人が多かったのです。

以上のことをふまえ、下肢を基礎とした人間の体を建物と想定し、「経穴」ではない「構造バランスから導き出した刺激点」に刺激を行うと体を真っ直ぐに、あるいは真っ直ぐになる環境が整うという結論に到達したのです。

そうすると、四診しやすい体の状態や、治療しやすい環境が整うばかりではなく、この時点で多くの症状が緩和または消失するのです。

体や脊柱が真っ直ぐになれば「神経根の問題が改善?」「自律神経節の位置が整う?」「余分な筋力を使わなくなり筋緊張が緩和?」など色々頭に浮かびます。

しかし症状の緩和、または消失に向かう変化を観察し続けていくと、刺激点に刺激する状態から刺激後に症状が緩和または消失に向かう様子が、問題経絡に対する経穴の処方後に変化する様子に非常に似ていることに気付きました。

そしてさらに観察を続けていくと、患者様の症状にたいしてアプローチしたい経絡の左右の寸法が違うことに気付きました。

医療面接時に、この「構造バランスから導き出した刺激点」へ刺激を行い体を真っ直ぐにすると、体が真っ直ぐになることにより「左右の経絡の寸法」がそろうのです。以上のような経緯を経て確立したのが、経絡・経穴を刺激せず「体を真っ直ぐに」し「経絡の左右の寸法をそろえる!」ことを目的とした「物理学的経絡治療」です。

 

岡西 裕幸

大学堂 院長
鍼灸学士・鍼灸師
世界中医薬学会連合会登録2010
(社)全日本鍼灸学会会員
(社)日本東洋医学会会員
日本中医学会会員
平成2年鍼灸師取得
(現)関西医療大学3期卒業
上海中医薬大学附属日本校客員講師
APG代表

大阪や名古屋の治療院で経験を積んだ後、平成5年からJリーグチームドクターのクリニックで勤務し、選手の評価方法やリハビリテーションに関して学ぶ。
西洋医や理学療法士と協働して西洋医学的知識の大切さを知り、物理学的経絡治療を開発。
マタニティケア鍼灸師。
世界中医薬学会連合会(証書番号001817)。

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